頭皮の汚れとトラブルのお話し

頭皮の汚れは血管萎縮型と脂漏性型の疾患原因になります。

頭皮、頭髪の健康維持に欠くことのできない条件は皮膚を絶えず清潔に保つことです。皮膚の清潔維持は生命活動の基本ともいえます。頭皮が不潔になると正常菌叢(尋常菌・常在菌)に歪みが生じ黄色ブドウ球菌・化膿連鎖球菌などの化膿菌が増え、結果、血管を萎縮させ、血流を阻害し、自然治癒力を低下させ、多くの疾患を発生させます。場合によっては、急性脱毛症(接触性脱毛症)を起こすことも珍しくありません。一方、脂漏性の汚れは痤瘡桿菌・表皮ブドウ球菌を異常増殖させ、結果、リパーゼ酵素が異常に分泌され、皮脂膜の酸化を促し、アラキドン酸(不飽和脂肪酸)~プロスタグランジン~ロイコトリエンを形成させ、細胞を破壊し多くの脂漏性疾患を発生させます。場合によっては脂漏性脱毛症を起こすことも珍しくありません。正に頭皮の汚れは疾患の原点と申し上げても過言ではありません。
それでは、汚れの成分を申し上げましょう。
汚れの成分は大きく分けて
(1)脂性の汚れ
(2)老廃物(水分・塩分・アンモニア・尿素・インドール・ナイアミン・アラントイン・硫化物質など)
(3)角質(たんぱく質)
などに大別できます。
頭皮の汚れによって発生する疾患の中で、最も象徴的な現象がふけの発生です。それではふけの分類とその原因を申し上げます。

分類 原因
1.粒子が細かく痒みのないふけ ピチロスポルム(常在菌)・オバーレ(常在菌)
2.粒子が細かく痒みのあるふけ 白癬菌(外来菌)
3.粒子が大きく断続的な痒みのあるふけ 脂漏性疾患(過酸化脂質)
4.粒子が大きく不快臭を伴うふけ プロピオン酸菌〈脂漏性湿疹〉

又、頭皮が不潔になると紅斑や湿疹を促し、慢性的な皮膚炎を発生させます。悪化すると丹毒(慢性的な火傷状態)や壊死症(突発的な火傷状態)を発生させることもあります。
それではご自身の頭皮をチェックしてください。

1.痒み、痛みを感じる。(黄色ブドウ球菌・化膿連鎖球菌)
2.ふけがでる。
3.発赤や湿疹がある。(黄色ブドウ球菌・化膿連鎖球菌)
4.毛の弾力性がなくなり成長が遅い。(血管萎縮)
5.毛が細く痩せ脱毛する。(血管萎縮)

次に頭皮の保護システムについて説明させていただきます。頭皮の保護物質には(1)皮脂膜(2)水分(3)バリアゾーン(4)正常菌叢があります。それでは頭皮の保護物質についてお話ししましょう。

(1)皮脂膜の形成

皮脂腺から脂肪成分《中性脂肪60%ワックス25%スクワレン10%コレステロールエステル3%コレステロール1%》が分泌されております。皮膚の尋常菌である痤瘡桿菌・表皮ブドウ球菌から分泌されるリパーゼ酵素(脂肪分解酵素)により中性脂肪が分解され、グリセリド・脂肪酸・乳酸等が形成され水分とほど良く混じり合い皮脂膜を形成させます。
皮脂膜の働き
1.保護能力
2.酸・アルカリの中和
3.抗菌作用
4.酸化防止作用
5.皮膚呼吸の亢進
6.発毛作用
7.ビタミンDの形成
8.消臭
9.水分の調整
皮脂膜の作用により外界刺激物である機械的な刺激(圧迫・摩擦)物理的な刺激(紫外線・風・乾燥・低温・高温)生物的な起因物質(カビ・細菌・ウイルス・毒性植物・動物毒)化学物質・重金属から皮膚組織を守っております。

(2)水分
皮膚は絶えず発汗を繰り返しております。(不感蒸泄・不可視性発汗)脳は高温に対する許容範囲が小さい為、発汗作用により温度を細かく調整し脳の保護を行っております。又、水分は皮脂成分と混じり合い皮脂膜を形成させ、乾燥や外界刺激物から皮膚組織を守っております。

(3)バリアゾーン
バリアゾーンは角質細胞とセラミド(ヒアルロン酸・リン脂質・NMF)によって形成されております。外界刺激物である機械的な刺激(圧迫・摩擦)物理的な刺激(紫外線・風・乾燥・低温・高温)生物的な起因物質(カビ・細菌・ウイルス・毒性植物・動物毒)化学物質・重金属から皮膚組織を守っております。

(4)正常菌叢
頭皮には正常菌叢(尋常菌・常在菌)といわれる200~300種の微生物が繁殖し、自らの調和のとれた活性バランスの確保と外界から進入する多くのカビ・細菌・ウイルスによる細菌感染症から皮膚組織を守っております。

このような事でお分かりのように頭皮の汚れの大部分は役割を終えた保護物質であり、速やかに取り除く必要があります。又、洗浄力の弱いシャンプーや細菌感染に弱いシャンプーを使用したり、又、強い抗炎症剤や殺菌剤を配合したシャンプーを長く使用した場合、頭皮の汚れや細菌感染症を誘発させ多くの皮膚疾患を発生させることをご理解いただく必要があります。

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